コミュニケーション論

コミュ障の天才数学者の学び。映画“イミテーション・ゲーム”

Pocket

おつかれさま。今日はどんな一日だった?

どうも、とある広告マン「free」がお届けするコミュニケーションの学校です。

このチャンネルでは、今まで学校で教わってこなかった「コミュニケーション」についてお話することで、みなさんの生活のお役に立てればと考えております。

本日は、「コミュ障の天才数学者の学び。映画“イミテーション・ゲーム”」というテーマでお話させていただきます。

GW中なので、前回に続きですね、映画の紹介をしたいと思います。

これ、昨日配信しようと思ったんですけど、なかなかまとまらず、結局今日になっちゃいました。
これも本当いい映画なので、ちゃんと伝えたいと思って、仕切り直しました。

この映画を超ざっくり言うと、
イギリスの天才数学者である、アラン・チューリングが、第二次世界大戦中に、ナチスが使ってた解読不可能と言われた「エニグマ」という暗号を解読して、それが連合国を勝利に導いた。っていう実話を元にした話になります。このアラン・チューリングは、現在我々が使っているこのコンピュータというものの元を作った方で、本当にこの世界に与えた影響は大きい方ですね。

—-

では、早速ですね、あらすじに沿ってご説明したいと思います。

第2次世界大戦中のイギリスで、ナチスドイツが使っている「エニグマ」という暗号の解読を目指す特殊チームが発足して、そのメンバーの中にこの映画の主人公であるアラン・チューリングがジョインすると。

このアラン・チューリングが、とんでもないコミュ障で、人の気持ちをまったく理解することができない人なんですね。

印象的なシーンがあって、チームメンバーのみんなでランチに行こうという話になった時に、
離れて座っていたアランチューリングに対して、同僚の一人が「おーい、ランチいくぞ」って言うんですね。
なのに、話しかけられたアラン・チューリングは、ガン無視するんです。
で同僚が「おい、どうして無視するんだよ」って言うと、
アランは「ランチ行くぞってキミが言ったのは聞いた。行けばいい」と。
つまり、この「ランチ行くぞ」て、普通に考えたら、「お前も行こうぜ」って意味じゃないですか。
それを文脈も何もなしに、言葉そのまま「ランチ行くぞ」っていう報告の意味だと理解してスルーしたと。
なので、言葉の文脈を追えないと言うか、人の気持ちを全く察することができないんです。

で、エニグマの解読を目指して、みんなで協力して知恵を出し合っている中でも、
アランは皆に一切協力をせずに、一人で黙々と作業を続けるんです。
で、誰も成果を出せないまま、時間だけが経っていって、皆のアランに対する信頼も皆無になっていくと。

そんな時に、この特殊チームに女性が入って来るんですね。
で、この女性が非常にコミュニケーション上手で、すぐにチームのメンバーと仲良くなるんです。
この女性がアランに助言するんですけど、
「このプロジェクトに勝つには絶対にみんなの協力が必要だと。嫌われた誰も助けてくれないよ」ってアランに言うんです。
そこでアランが目覚めるんですね。
そこから皆に急に差し入れをしたりとか、みんなの意見を聞いたりとかで、
チームで建設的な意見交換もでき始めると。

ただ、なかなかエニグマの解読にはたどり着けずにですね、
イギリス軍は、何の成果も出せないエニグマ解析チームにしびれを切らして、アランにクビを告げるんです。
そこで、驚きだったのがチームの皆が「アランをクビにするなら俺らもやめる」と言いだしたんです。
そうすると、事実上の解散になってしまうので、イギリス軍もアランをクビにできなくなるんですね。
これ、ちょっと前だったら、アランのクビを皆喜んでいたはずなんです。
つまり、チーム員とのコミュニケーションの大切さに気づいていなければ、アランも志半ばでクビを食らって、このエニグマの解明にはたどり着けなかったんです。

で、そんなある日ですね、チームの皆でBARに飲みに行って、
チームの一人が、バーに入る女の子をナンパするんですね。
で、そのナンパした女の子との会話が思わぬヒントになって、
ついに、解読不可能と言われた暗号「エニグマ」の解読を達成するんです。

これによって、ナチス軍の会話を全部聞くことができて、
どの戦艦がどこにいて、どの戦闘機がいつどこから攻めてきて、
っていうすべての情報をこのチームが握ることに成功するんです。
これってめっちゃすごいことですよね。

普通の映画だったら、この暗号解けたのをクライマックスにして、戦争で大逆転、でハッピーエンド、で終わると思うんですけど、この映画これで終わらないんですね。
この映画は、もちろんエニグマの解読はありつつも、それ以外に2つの側面があって、
一つは、このエニグマ解読作戦の機密性の高さと、
もう一つは、アラン・チューリングの人生の不遇さです。

で、話を戻して、
エニグマの解読に成功したチームが次に何をやったか、なんですけど、
物資を運ぶ重要なイギリスの船が、まもなく攻撃されることがわかったんです。
この時、あなたならどうしますか?
その時ですね、チームの一人が、この攻撃予定を軍に知らせて、その船の乗組員の命を救おうと言い出したんです。これ、普通に真っ当な考えですよね。

ただ、それをアラン・チューリングが止めるんです。連絡するなと。
なぜ止めたか、なんですけど、
逆に考えて、この船への攻撃を急に避けたらどうなるか、
もし避けたら、イギリス側がエニグマを解読したことがナチスにバレて、
きっと新しい暗号を作ってしまうだろうと。

そうすると、エニグマを解くまでに費やした2年間が無駄になってしまう。
なので、イギリスの船が攻撃されるのをわかってて見過ごすんです。
で、さらにしんどいのが、このエニグマ解読チームの一員の男性のお兄さんが乗ってる船だってことがわかったんです。
なので男性は、アランに「頼むから軍に連絡させてくれ。たった一人の兄貴なんだ」って言うんですけど、アランは首を横に降ると。
これは本当に苦渋の決断ですよね。

で、更にすごいのが、この一件だけじゃなくて、
戦争が終わるまで、ずっとエニグマの解読を悟られないように、
ナチスからの攻撃でどれくらい被害が出るかっていうのを、毎回アラン達が計算して、
本当にやばいやつだけ避けて、それ以外はそのまま攻撃させたんです。
助けるものと助けないものっていう命の選択を日々彼らがしていたんですね。

で、第二次世界大戦って、節目となる戦いがいくつかあって、
有名所でいうと、プライベートライアンのテーマにもなったノルマンディー上陸作戦とか、スターリングラードの戦いとか。
これら全部のエニグマの情報から勝てたって言われてるんですね。
太平洋戦争も、形成が変わったというミッドウェー海戦も、日本の暗号が筒抜けで、アメリカに負けたと言われいるので、戦争において情報戦がいかに大事かがわかりますよね。

で、エニグマ解読のおかげで、第二次世界大戦で連合軍が勝ちましたと。
ここから更にすごいのは、戦争が終わっても、イギリスはエニグマの解読を公表しなかったんです。
理由は、いつまた戦争が起きるかわからないと。
なので、解読したことが知られたらまた新しい対策を考えられてしまうので、戦争後も、ずっとエニグマ解読を秘密にしていたんです。

で、ここからなんです。
エニグマの解読が秘密ってことは、このエニグマ解読プロジェクトも完全機密事項なので、
つまり、アラン・チューリングのこの業績もだれも知らなかったわけです。

終戦から6年経った、1951年、
アラン・チューリングが、同性愛の容疑で捜査されるんですね。
でこれは、作中にも出てくるんですけど、アラン・チューリングは同性愛者だったんです。
この時代のイギリスは、同性愛が法律で禁止されていて、立派な犯罪だったんですね。

警察がこのアラン・チューリングの家を家宅操作すると、謎の機械があると。
で、この機械はですね、実はエニグマを解読した機械なんです。
でも警察も、エニグマのことなんて全く知らないわけです。
家に怪しい機械がある。
こいつはソ連のスパイなんじゃないかって警察は疑うんです。

で、このアランが、戦争の英雄ということも知らされず、
同性愛者ということで、留置所生活をするか、強制的にホルモン投与するか、選べと言われる。
アランはホルモン投与をすることを選ぶわけです。

この理由がですね、その機械と離れるのが嫌だったんです。
実はその機械をクリストファーという名前をつけていて、
アラン・チューリングは学生時代いじめを受けていて、そのいじめから助けてくれたのが、クリストファーという同級生だったんですね。
アランは、そのクリストファーに、同性なんですが、恋をするんです。
ただ、そのクリストファーは学生時代に病気で死んでしまうね。
愛するクリストファーを亡くしたアランは、その喪失感から、エニグマを解読するために作った機械にクリストファーという名前をつけるわけです。
そのクリストファーと離れるのがいやで、ホルモン投与の道を選ぶと。

ホルモン投与をされたアランは、身体の自由が効かなくなってきてしまって、自殺をしてしまうんですね。

本当は戦争の英雄なのに、それすら全く知らされず、ただの同性愛の犯罪者として追い詰められ、最後は自殺をしたアラン・チューリング。
彼が作った機械はチューリングマシンと呼ばれて、今我々が普段使っているコンピュータの元になったと言われてるんですね。なので、彼の功績はめちゃめちゃでかいんです。

で、時は経って2009年。だからほぼ最近ですね、
イギリスの首相が、アラン・チューリングの当時の功績を称えるとともに、
戦後のイギリス政府がしたアランに対する仕打ちについて正式に謝罪すると。

という映画になっています。
いかがでしたでしょうか。イミテーション・ゲーム。

GWで映画とか見ようかなって思ってる方は是非、ご覧いただければと思います。

というわけで本日は、「コミュ障の天才数学者の学び。映画“イミテーション・ゲーム”」というテーマでお話させていただきます。

さあ、新しい一日が始まる。キミは何をする?

freeでした。

ABOUT ME
とある広告マン “ free ”
慶應大学商学部卒。大手広告代理店に所属。 学生時代に対面コミュニケーションを学ぶため、家庭教師の訪問販売の仕事にチャレンジし、売上ゼロから1年間で全国1位の売上を記録。 大学卒業後、大手広告代理店に入社。 グローバルIT企業、食品メーカー、家電メーカー、大手教育会社、メガバンク、のCM制作などマーケティング施策を担当。 自身の仕事の挫折経験とそれを乗り越えた経験から、20代を中心に次世代を代表する人材を育てるための「ブログWING」をスタート。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です